1.はじめに:海外駐在妻のキャリアのリアル

「夫の海外赴任が決まったとき、嬉しさと同時に不安が押し寄せた」
これは多くの駐在妻が口を揃えて言う言葉です。
パートナーのキャリアアップと引き換えに、自分のキャリアを中断せざるを得ない——。
特に20代後半から30代前半は、働く女性にとって昇進やキャリア形成の重要なタイミングです。
その時期に仕事を辞めて渡航するのは、誰にとっても大きな決断になります。
焦りや不安な気持ちに駆られることも自然なことです。
しかし、安心してください。
このページを読んでいるあなたには、駐在妻という経験をキャリアにおいて「武器」にしていくステップを紹介していきます。
具体的なステップアップ例も紹介していきますので、ぜひご覧ください。
2. 駐在妻の現状とよくある不安
実際に駐在妻の多くが抱える悩みには共通点があります。
- 「働けない国が多い」
ビザの種類や現地の法律によって、帯同者が現地で働けないケースは少なくありません。 - 「キャリアのブランクが怖い」
数年間の空白が、帰国後の転職活動に不利になるのではないかと心配する声は多いです。 - 「孤独感・疎外感」
現地での生活は言葉の壁が大きく、慣れない文化に適応するのも簡単ではありません。
さらに夫は仕事で多忙、日中は一人きり…という状況は珍しくありません。
実際に、ある調査では「駐在帯同中にうつ傾向になった」と答える人もいるほどです。
🔹 体験談:私が感じた“駐妻の壁”
私は当時25歳で、金融系の本社部門で働いていました。
夫の海外赴任が決まったとき、正直“これで私のキャリアは終わりかもしれない”と絶望感すら覚えました。
現地で同じ仕事をできる可能性はほぼゼロ。
でもあのタイミングで諦めず、自分でできることを考えた結果、帰国後の理想のキャリアにつながりました。
駐在中に培ったスキルを活かして在宅フリーランスとして活動できています。
3. 駐在妻でもキャリアを諦めるべきではない理由

では、なぜ駐妻中にキャリアを諦める必要がないのでしょうか?
理由は大きく3つあります。
① 英語力は最大の資産になる
今の日本では、英語が“話せる”だけで市場価値が跳ね上がる業界は多く存在します。
外資系企業、貿易、観光、教育など、英語を武器にできるフィールドは無数です。
また、外国人観光客・労働者の増加により、医療業界、ホテル業界、不動産業界など、様々な領域で英語を話せる人材が求められています。
実際に転職市場では、TOEIC800点以上など、英語のスコアや、英語を使った経験などを条件にする企業は増え続けています。
さらに、英語ができるだけで年収が1.5倍以上になったという例も少なくありません。
駐在中に「英語を使って生活をした」「英語を勉強した」という経験で内定をゲットした方もいらっしゃいました!
② 時間がたくさんある。裏を返せば、自己開発の時間がたくさんある!
駐在帯同中は、時間を持て余して不安や寂しさを感じるということも少なくありません。
ですが、逆に言えば「自由に使える時間がたくさんある」ということです。
これまで「働きながら学ぶには時間がかかるな」と思っていたことや「収入にはあまりつながらないなと思っていたけど実はずっと学んでみたかった」といったことなどに取り組む良い機会になります。
コロナ禍を経て、世界的にリモートワークが当たり前になりました。
特にWEBライティング、WEBデザイン、動画編集、SNS運用といった在宅ワークにつながるスキルは世の中的にも需要が高く、学習自体もオンラインで完結するため、人気です。
③ 駐妻の経験自体が“希少価値”になる
異文化適応力、多様性理解、海外ネットワーク…
こうした経験は国内だけでは得られない強みです。
途上国でも先進国でも、慣れない土地で生活をすることができた根気は必ず自己PRポイントになります。
企業によっては、駐在経験者を優遇する採用枠を設けているところもあります。
「駐妻だった」ことをポジティブに語れるようにしておくことが、帰国後の転職成功のカギです。
④今は休職や復職前提退職など会社の理解があることも
以前はパートナーの駐在が決まる→自分は退職するしかない、というのが当たり前でしたが、今は少しずつ会社が帯同への理解を示してくれることもあるようです。
私は難しかったですが、会社が帯同による休職という制度を作ってくれて、会社を辞めないまま来ているという人もいました。
相談だけでもしてみるといいと思います。
4. 駐在妻ができるキャリアアップの具体策

ここからは、駐在妻が今すぐできるキャリアアップの方法をさらに詳しく解説します。
4-1. 英語力を資産にする具体的ステップ
「英語を勉強しよう」と思っても、何をどう始めればいいのか分からない人は多いです。
勉強法については別記事で詳しく解説しますが、おすすめは インプットとアウトプットの両立 です。
🔹 ステップ1|オンライン英会話で毎日話す
- Cambly、DMM英会話、NativeCampなどは駐妻の利用率が高いです。
- 週1回ではなく、毎日短時間でもOK。アウトプットを習慣化するのが大事。
🔹 ステップ2|現地の人との交流を増やす
- 語学学校だけでなく、現地のボランティア活動に参加する。
- 子どもの学校のPTA活動を英語でこなすのも大きな経験。
🔹 ステップ3|資格試験に挑戦する
- TOEICだけでなくIELTSや英検1級など、目標を持つとモチベが続きます。
- 資格によっては海外での受験が可能なものもあります
4-2. 在宅ワーク・WEBスキルを磨く具体的ステップ
駐妻キャリア図鑑などでも紹介されている通り、WEBスキルは再就職や独立に直結しやすいです。
🔹 需要が高いスキル例
- WEBライティング:ブログ運営や企業メディアの外注ライター
- WEBデザイン:バナー制作、LPデザイン
- 動画編集:YouTube動画の編集代行
- SNS運用:InstagramやTikTokの運用代行
🔹 どう学ぶ?
- Udemyで初心者向け講座を購入する
- SHElikesやmineなどの女性向けスクールに通う
- クラウドワークスやココナラで小さな案件から実績を積む
🔹 お友達の体験談:駐妻中にWEBデザイナーへ
「私は駐妻中に子育てをしながらWEBデザインを学びました。
最初は独学で苦戦しましたが、オンラインスクールに通ったことで案件を受けられるように。
帰国後はフリーランスとして在宅で年収300万円以上の案件を受けることができるようになりました。
国内での転勤も続くので、在宅で稼げるスキルができてよかったです」
4-3. 資格取得でキャリアの幅を広げる
働けない国でも、資格取得なら自宅で進められます。
大切なのは「どの資格が帰国後の自分のキャリアに役立つか」を考えること。
おすすめの資格例
- TOEIC、IELTS(英語力)
- キャリアコンサルタント(自分の経験を活かせる)
- WEBデザイン検定
- FP(家計管理や保険知識は帰国後の再就職で有利)
- 保育士(海外子育て経験を活かせる)
- 宅建試験や社労士など士業
- 公認会計士
- 簿記2級
おすすめの資格試験は下記の記事で解説しています。
5. 孤独・引きこもりを防ぐ!心のケアとコミュニティ活用

駐在妻に多いのが、最初の数ヶ月で一気に訪れる“孤独感”です。
言葉が通じない、仕事もない、知り合いもいない…。
駐妻コミュニティ総研などでも、孤独や引きこもりは駐妻特有の大きな課題として挙げられています。
🔹 孤独に負けないためにできること
孤独感を減らすには、まず「人とつながること」が大切です。
1. 現地の日本人会を活用する
多くの都市には駐在員とその家族向けの日本人会があります。
季節のイベント、趣味のサークル、語学サポートなど活動は多彩です。
2. オンライン駐妻コミュニティに参加する
最近ではFacebookグループやLINEオープンチャットなど、オンラインでつながれる駐妻コミュニティが活発です。
同じ立場の人と悩みを共有するだけでも心が軽くなります。
3. 現地コミュニティに飛び込む勇気を持つ
現地の語学学校や習い事、ボランティア活動に参加すると、ローカルの友人ができやすいです。
「引きこもりがちだったのに、現地のPTAに参加したら一気に友達が増えた」という人もいます。
🔹 心のセルフケアも忘れずに
心の安定を保つには、小さな習慣が大切です。
- 毎日同じ時間に散歩する
- 日記を書く
- 趣味を見つける
- 誰かと必ず話す時間をつくる
孤独に負けない行動を自分で作っていくことが、駐妻生活を前向きに過ごすコツです。
下記記事で、駐在妻の方の孤独への対処法を解説しています。

6. 帰国後のキャリア復帰・転職成功事例
ここでは、実際に駐妻生活を「キャリアの空白期間」ではなく「成長期間」に変えた人たちの例を紹介します。
🔹 英語を武器に外資系へ
「駐妻中、毎日オンライン英会話と現地での英語ボランティアを続けました。
帰国後、英語力が武器になり、未経験でも外資系企業のカスタマーサポートに転職できました。
年収は前職よりも大幅UPし、TOEICのスコアや現地でのボランティアの経験を履歴書に書けたのも大きかったです。」
🔹 英語を習得して現地採用として働き始めました
「駐妻中、毎日オンライン英会話を続け、TOEICのスコアを駐在先でとりました。
英語力が武器になり、帯同2年目からは現地の日系企業で現地採用として働き始めることができました。
働くのが好きだったので、現地で働くことができたのは本当に良かったです。」
🔹 WEBスキルでフリーランスへ
「帯同中にWEBデザインをスクールで学び、クラウドソーシングで小さな案件を受けて実績を積みました。
帰国後は知人の紹介で案件が増え、在宅で月20万円以上を安定して稼げるように。
子育てとの両立ができて、むしろ今の方が時間を自由に使えています。」
🔹 資格を活かしてキャリアチェンジ
「駐妻期間にキャリアコンサルタント資格を取得しました。
帰国後は同じようにキャリアに悩む人を支える仕事に就きました。
自分自身が駐妻として悩んだ経験が、今の仕事に活きています。」
7. まとめ:駐在経験を「勝ち」にするのはあなた次第!

駐妻は「何もできない時間」ではありません。
行動次第で、語学力、スキル、資格、人的ネットワークなど、次のキャリアにつながる“資産”を作れる期間です。
何もしなければ、確かにキャリアのブランクとして扱われます。
でも、英語力を磨き、スキルを得て、少しでも実績を作っておけば、帰国後は「何をしていたか」を胸を張って語れます。
孤独や不安に負けそうな日もあるかもしれません。
そんなときは、一緒に学ぶ仲間を探してください。
今の行動が、未来の選択肢を確実に増やしてくれます。
駐妻生活を“空白”にするか“キャリアの種まき期間”にするかは、あなたの行動次第です。
まずは小さな一歩でOKです。
- 英語学習の無料体験を申し込む
- オンラインスクールを探す
- コミュニティを検索してみる
今日からできることを始めて、帰国後のあなたの未来を変えていきましょう!
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 駐在妻って現地で働ける国もあるの?
ビザ次第では働ける国もありますが、就労可能な範囲は国によって大きく異なります。帯同ビザの場合はNGが多いので、働けない前提でスキル習得を考える方が現実的です。
Q2. 英語が全くできないのですが、どうしたら?
最初は基礎文法や発音を独学しつつ、オンライン英会話でとにかく話す場を持つのが大切です。駐妻はアウトプット環境があるのが最大の強みです。
Q3. 子どもが小さいと学習時間が取れません…
小さな子どもがいても、昼寝中や夜に30分だけでも学習習慣を作っている方もいます。無理のない範囲で短時間でも継続できるとベターです。
Q4. 駐妻コミュニティってトラブルとかない?
どのコミュニティにも相性があります。複数を試して、自分に合うものだけ残すのがおすすめです。
Q5. 帰国後の転職で面接官に空白を突っ込まれたら?
「この期間に●●を学んで、こういう実績を積みました」と具体的に説明できれば、空白ではなく“経験”として評価されます。