インドに住んでいると、ある日突然お腹を壊したり、原因不明の体調不良に悩まされることは珍しくありません。
旅行中でも同じで、せっかくのインド体験が下痢や食あたりで台無し…なんて話は本当によく聞きます。
私自身もインドに来たばかりの頃、何度も食あたりに苦しみ、正露丸だけでは全く太刀打ちできずに現地の薬局に駆け込んだ経験があります。
現地の薬は強力ですが、知識なしで買うと逆に副作用が心配です。
この記事では、そんなリアルな体験をもとに「インドで本当におすすめできる薬」と「日本から持参すべき薬」、さらには薬局での買い方や注意点までを網羅的に紹介します。
これを読めば、いざという時にも慌てず、安心してインドでの生活や旅行を楽しめるはずです。
※この記事では、私が飲んだことのある薬を体験談として紹介しております。
すべての服用は自己責任でお願いします。
インドでは下痢や食あたりがつきもの|結論:現地の食あたりには現地の薬を
インドを訪れる日本人が最も悩まされる体調トラブルといえば、やはり「下痢」や「食あたり」です。
水の違い、スパイスの多用、衛生面のギャップなど、理由はいくつもあります。
ここで覚えておいてほしいのは、インドでの下痢は「現地の薬」でないと効かないことが多いという事実です。
日本から持ってきた正露丸で治る軽い腹痛もありますが、現地の強い菌には現地仕様の薬が必要です。
「正露丸だけで何とかなるだろう」と思っていると、回復が遅れて旅行を台無しにしてしまうケースもあります。
だからこそ、現地で手に入る薬と日本で用意する薬、どちらも知っておくことが安心につながります。
次章からは、まず日本から持参すべき薬とその理由を詳しく紹介していきます。
日本で必ず持参すべき薬とグッズ

インドでは現地で薬が簡単に手に入るとはいえ、やはり慣れない土地でいきなり薬局を探すのは不安です。
特に軽い症状なら、日本で飲み慣れた薬の方が安心して使えます。
ここでは、インド渡航前に準備しておきたい薬とグッズを具体的に紹介します。
インド旅行・赴任前に日本から持っていくべき薬
■ 酔い止め
長距離バスや列車移動が多いインドでは、酔い止めは必須です。
車の運転が荒いことも多く、体調が悪いと酔いやすくなります。
インドでもAvomineという酔い止めが買えますが、1粒でもかなり効果が強く眠気に太刀打ちできなくなった経験があります。
可能であれば日本製が安心です。
■ ポカリ(粉末)
下痢や発熱で体調を崩したときに最も重要なのが水分と電解質の補給です。
現地でもスポーツドリンクはありますが、味が合わないこともあるので、ポカリの粉末タイプを1~2袋は持っておくと安心です。
ごはんが食べられないときも、最低限のカロリー摂取になるので、おすすめです。
■ 鎮痛剤
移動中の頭痛や、軽い発熱時に役立ちます。
現地でも鎮痛剤は買えますが、効き目が強いものが多いので、まずは日本で飲み慣れたものを。
一般的なバファリンなどでOKです。
■ 風邪薬
急な気温差やエアコンで体調を崩しやすいインドでは、風邪薬も必須です。
現地の薬局でも買えますが、成分や用法が不安な人は日本の市販薬が安心です。
私は喉風邪をひきやすいタイプだったので、喉風邪の薬を持って行っていました。
■ 整腸剤
インドでお腹を壊した場合、重症のときは現地の薬が必要ですが、回復してくるとビオフェルミンなどの整腸剤で整えていくことが回復の助けになります。
食べ物が変わって急に便秘する人もいるので、そんなときにも整腸剤はおすすめです。
■ 虫よけ・虫刺され薬
ムヒや蚊よけや、インドのものはにおいの強いものしかないので、可能であれば持ち込みをおすすめします。
インドでの体調不良で日本の薬が役立つ理由
インドの薬は強力で即効性がある反面、副作用や過剰投与のリスクもあります。
日本の市販薬は成分や服用方法がわかりやすく、体にも優しいものが多いです。
また、言葉の壁や薬局探しの手間を考えると、軽症は日本の薬で自己管理し、重症は現地の薬に切り替えるという使い分けが理想です。
自分の体調の傾向を振り返り、事前に必要そうだなと思うものは準備しておきましょう。
あると便利なプラスαの持ち物
- ウェットティッシュ・アルコール除菌ジェル(衛生管理に)
- 常備用のビニール袋(嘔吐などの備え)
- のど飴(乾燥や排気ガスで喉を痛めることが多い)
- ポータブルの上着(急な嘔吐、発熱などで寒気が強くなることがある)
インドでの滞在を快適にするために、これらを忘れずに準備しておきましょう。
現地で買えるおすすめ薬|症状別まとめ

インドでは、ほとんどの薬を処方箋なしで購入できます。
特に下痢や食あたりの薬は、現地の薬が最も効果的とされています。ここでは、症状別におすすめの現地薬とそのポイントを紹介します。
インドの下痢止め・抗生物質
インドで一番多いトラブルが「お腹を壊すこと」。
日本の下痢止めでは効かないことも多いため、現地の抗生物質を使うのが一般的です。
■ O2
細菌性の下痢に効果が高い抗生物質。基本的にはこれを選んでおけばOK
食あたりでお腹を壊したときに現地の人もよく使います。
食あたりで病院に通ったときも同じ薬が処方されたので、メジャーな薬のようです。
■ フラジール(Flagyl)
寄生虫や細菌性の感染症に効く薬。
トリコモナス症(生殖器の寄生虫感染症)、特定の胃腸感染症、アメーバ赤痢など、多くの寄生虫感染症に効果のある抗生物質のようです。
インドでは水が原因で寄生虫に感染することもあり、下痢が長引くときに処方されます。
✅ ポイント
- 抗生物質は強い薬なので、自己判断での連用は避ける。
- 妊娠中の方など、禁忌もあるので必ず確認すること
- 3日飲んでも改善しない場合は病院へ。
胃腸薬・整腸剤
現地で胃がムカムカしたり、軽い腹痛におすすめの薬もあります。
食あたりで胃の痛みが出ることも多いので、ぜひ活用してください。
■ Gelusil(ジェルシル)
インドで一般的な胃薬。胃酸過多や胃もたれを和らげてくれます。
■Domperidone(ドンペリドン)
強い吐き気止めの薬です。妊娠中など禁忌の多い薬ですが、吐き気が強く水も飲めないというときにおすすめです。
症状が落ち着き次第の受診をおすすめします。
■ Sporlac(スポーラック)
インド版の整腸剤。乳酸菌で腸内環境を整えるので、軽い下痢にはこれだけでも十分なこともあります。
虫刺され・日焼け止め・虫除け
実は、インドでは虫刺されも多く、屋外では虫除けスプレーが必須です。
日本製がおすすめですが、なくて困ったとき用に載せておきます。
虫刺されが化膿したときなどは必ず受診してください。
■ Odomos
インドで定番の虫除けクリーム。肌に塗るタイプで蚊除けに効果的です。
■ Burnol
軽い火傷や日焼けのケアに使える軟膏。日差しの強い地域ではあると安心です。
症状別に現地で買える薬を把握しておくと、いざという時に慌てずに済みます。
薬の名前をスマホにメモしておくと、写真を見せるだけで買えるのでおすすめです。
おまけ 美容系の薬
私が活用していた美容内服薬・クリームも紹介します。
トラネキサム酸
シミ・肝斑予防のお薬です
アゼライン酸
日本でも人気の赤み、毛穴にマイルドに効くお薬です
プラセンタクリーム
日本でも前に流行った万能クリームです。
人の胎盤から採取された成分を使っています。
インドの薬局事情|買い方と注意点
インドでは薬局(Pharmacy, Chemist)でほとんどの薬が処方箋なしで買えます。抗生物質や強めの薬も簡単に手に入りますが、買い方にはコツと注意点があります。
処方箋なしで買えるインドの薬局事情
インドでは薬局が街のあちこちにあり、病院に行かなくても薬を手に入れられるのが一般的です。
薬局には医師資格を持った人がいないことも多く、店員に症状を伝えて薬を出してもらうスタイルです。
抗生物質も簡単に買えますが、強力なので自己判断で何度も飲むのはNG。
現地の人もすぐ抗生物質に頼る傾向がありますが、耐性菌のリスクもあるので注意が必要です。
インドで薬が欲しい時—薬局での買い方のコツ
■ 写真を見せるのが一番確実
薬の名前を英語で伝えにくい場合は、スマホで薬の写真を見せればOKです。
できれば[○○(薬名) india medicine]と調べて出た英語の画面を見せると伝わりやすいです。
名前の発音が伝わりにくくても効果効能が書いてあるサイトと写真で一発です。
■ 薬局で使える英会話フレーズ
- “I have stomach ache.”(お腹が痛いです)
- “I need medicine for diarrhea.”(下痢止めが欲しいです)
- “Do you have antibiotics?”(抗生物質はありますか?)
- “How many times should I take this?”(服用回数は?)
基本的に難しい英語は必要ありませんが、「なんでその薬がほしいのか」「どのくらい欲しいのか」はマストで聞かれます。
症状の単語と数字だけは言える状態で行きましょう。
■ 薬局の探し方
大都市なら Google Map で「Pharmacy」と検索すればすぐに見つかります。
チェーン店の Apollo Pharmacy や 1mg Pharmacy は清潔で安心感があるのでおすすめです。
在庫も小さい薬局だとないこともあるので、大きめ、チェーン店を狙うのがおすすめです。
偽物・強い薬には注意
インドではごく稀に偽造薬が出回ることがあります。
信頼できる大手チェーン店で買うのが安心です。
また、成分が強く、日本人の体質に合わない薬もあります。
少しでも不安がある場合は、無理せず病院に行きましょう。
オンライン薬局・宅配サービスも便利
最近では都市部を中心に、1mg や NetMeds といったオンライン薬局サービスが普及しています。
スマホアプリで注文すれば、数時間~数日で自宅やホテルまで配達してくれます。
慣れない外出を避けたいときや、夜間に薬が必要になったときはとても便利です。
インドの決済サービスが必要なこともあるので、私は使ったことがありませんでした。
インドの薬事情Q&A
最後に、インドの薬について日本人がよく疑問に思うことをQ&A形式でまとめました。
旅行前・滞在中の不安をここで解消しておきましょう。
Q1. 正露丸だけで本当に大丈夫?
A. 軽いお腹の不調なら正露丸で済むこともありますが、インドの食あたりや水あたりは菌が強力なことが多く、日本の市販薬だけでは治りにくい場合があります。
2~3日で治らない場合は、現地の抗生物質を検討しましょう。
Q2. 現地の薬は安全?副作用は大丈夫?
A. インドの薬は成分が強く、即効性がある反面、副作用が出ることもあります。
説明書がついていない場合も多いので、わからないときは薬局の店員や現地の人に確認しましょう。
Q3. お腹を壊さないための予防法は?
A. そもそも体調を崩さないためには、生水を絶対に飲まないこと、屋台やローカルレストランでは火の通ったものを選ぶことが大切です。
飲み水はペットボトルを使い、氷も避けましょう。
Q4. 日本の薬を大量に持っていっても大丈夫?
A. 個人使用の範囲であれば問題ありませんが、税関でチェックされることもあります。
必要以上に大量に持っていくのは避けましょう。
Q5. 子ども用の薬はどうする?
A. インドの薬は子ども向けの用量が曖昧なことも多いので、日本から子ども用の風邪薬や整腸剤を準備しておくのがおすすめです。
現地で子どもが体調を崩した場合は、自己判断せずに必ず病院に相談しましょう。
Q6. 病院に行くべきタイミングは?
A. 3日以上下痢や発熱が続く場合、脱水症状がある場合、嘔吐が止まらない場合は、迷わず病院へ行きましょう。
インドには英語が通じるプライベート病院が多く、外国人でも比較的安心して受診できます。
まとめ|日本×現地の薬を上手に活用して安心のインド滞在を
インドでは、日本では考えられないような体調トラブルが日常的に起こります。特にお腹の不調は避けられないと言っても過言ではありません。
だからこそ、日本から信頼できる薬を準備しておくことと、現地で効く薬を知っておくことの両方が大切です。
軽い不調は日本の薬で、自分の体に合った方法で対処する。
もし症状が重くなったら、現地の薬局で症状に合った薬を購入する。
それでも回復しない場合は、迷わず病院にかかる。
この流れを知っているだけで、不安は大きく減ります。
また、薬局では写真を見せる、必要ならオンライン宅配を使うなど、現地での買い方もポイントです。
日本の常識にとらわれず、現地のやり方を知っておくとスムーズに乗り切れます。
インドは刺激的で魅力的な国ですが、体調を崩すと一気に楽しさが半減してしまいます。
ぜひこの記事の内容を参考に、しっかり準備をして、元気にインドを満喫してください!

