はじめに
「せっかくの海外駐在なのに、毎日家に引きこもり…。気づいたら誰とも話していない。」
これは多くの駐妻が一度は感じる悩みです。
私自身も、20代で初めて夫の海外駐在に帯同したとき、英語が苦手で人付き合いが怖く、外に出るのが億劫になりました。
この記事では、駐妻が引きこもりになりやすい理由と、私自身や他の駐妻が実践してきた孤独を克服する方法・暇つぶしのアイディアをまとめました。
同じ悩みを抱えている方の心が少しでも軽くなり、今日から一歩外に出られるきっかけになりますように。
駐妻が「引きこもり」になる3つの主な理由

1. 英語への不安とストレス
駐在先の言語がわからないと、スーパーや病院に行くだけでも一苦労です。
「言いたいことが伝えられずに困ったらどうしよう」
「何かあったときに対応できなかったらどうしよう」
と不安な気持ちから、外出が怖くなってしまうことがあります。
他にも「どうせ伝わらないから…」と家にいる方が楽になってしまうこともあります。
これらは異国で暮らし始めたときに起きる自然な感情です。
2. 知り合いがいない孤独感
海外赴任に帯同すると、ほとんどの人はその土地に知り合いがいない状態からのスタートになります。
家族以外と一切話さない日が続くと、次第に「外に出るのも面倒だな」と感じるようになり、気付けば何日も家に引きこもってしまうことも珍しくありません。
特に小さな子どもがいない駐在妻は、平日昼間に誰とも話さずに過ごすハードルがぐっと下がります。
日本なら友達とランチに行ったり、職場でおしゃべりをしたり、親や兄弟と電話をしたりと、自然に人と繋がる機会がありますが、海外ではその「当たり前」がありません。
慣れない英語での会話に疲れてしまう、そもそもどこで友達を作ればいいのかわからない……そんな小さな壁が積み重なると、孤独感はどんどん大きくなります。
3. 日本との比較で自己肯定感が下がる
駐在妻といえば、キラキラしたランチ会や旅行を楽しんでいるイメージがあるかもしれません。
しかし現実は、仕事を辞めて肩書きも年収も失い、「何のために海外に来たんだろう」と感じる人も少なくありません。
SNSを開けば、同じ駐在妻でも現地でキャリアを築いていたり、起業したりしている「勝ち組」の姿が目に入り、自分と比べて落ち込んでしまうこともあります。
特に、これまで仕事をバリバリしてきた人ほど、「キャリアが止まってしまった」と感じてしまいがちです。
「自分だけ取り残されている」「夫のキャリアのために自分の人生を犠牲にしているのでは?」とモヤモヤしてしまうのは、駐在帯同にありがちな本音です。
私も日本に残って働いている友人がキラキラ見えて、自分だけが取り残されたように思える瞬間がありました。
実際の体験談:私も「やることがない」日々だった
私がインドに帯同した当初、夫は朝から夜まで仕事。
英語があまり話せなかった私はスーパーに行くだけで精一杯で、現地の人との雑談もできず、ほとんどを家でSNSの徘徊、Netflixなどでアニメやドラマを見て時間を潰していました。
どこで日本人の友達を見つけていいのかも分からず、途方に暮れていました。
最初の2週間くらいは目新しい生活に心が躍っていましたが、次第に3ヶ月くらいで心が折れ、「このままだと病むかも…」と思ったのを覚えています。
駐在妻 引きこもりを克服した5つのステップ
ここからは、私が実際に海外生活で「外に出られない…」という気持ちを乗り越えた具体的な方法を、5つのステップに分けてお伝えします。
ステップ1|小さな外出目標を決める
「毎日外に出なきゃ!」と考えるとハードルが上がります。
最初は「週に1回だけ、近所のカフェに入ってコーヒーを買う」「スーパーで決まった野菜を買う」でも十分です。
英語に自信がなくても、注文のフレーズを1つ覚えればOK。
最初は旦那さんと一緒にお店に行って、買い物の流れを予行練習するのも大きな助けになります。
「いきなり一人で失敗するかも」という不安を、家族にサポートしてもらって和らげましょう。
最初は旦那さんがお会計などをやるのを見る→見よう見まねでやってみる→一人でやっているのを見ていてもらう、といったような形で少しずつステップアップしていくことで少しずつ自信がついてきます。
私自身も、最初は夫と一緒に近所のスーパーでレジの流れを確認し、帰りにカフェで注文練習をしました。
たったこれだけと思うかもしれませんが、それだけでも「自分ひとりでやれるかも」という気持ちが湧いてきます。
ステップ2|オンラインで駐妻コミュニティを探す
海外では「知り合いゼロ」の孤独感が何よりもつらいです。
そんなとき頼りになるのがSNSや地域のFacebookグループ。
「駐妻 コミュニティ」「○○(都市名) 日本人会」などで検索すると、思った以上にたくさんのグループが見つかります。
一度参加すれば、情報交換だけでなく「近所に住んでいるのでお茶しませんか?」と声をかけてもらえることも。
実際、私もインド駐在時にインスタグラムで同じ趣味を持っている人を見つけて話しかけたことで、最初の友達ができました。
もし勇気が出ない場合は、旦那さんの会社の同僚や上司に「奥さんで仲良くできそうな人を紹介してもらえませんか?」とお願いするのも一つの手です。
最初のきっかけは人任せでも全く問題ありません。
ステップ3|現地の日本人に声をかける
知り合いを作る最も早い方法のひとつが、「同じ日本人に話しかける」ことです。
例えば、お子さんの保育園や日本食材店、アパートなどで日本語を耳にしたら、思い切ってと声をかけてみてください。
多くの人が「私も実は来たばっかりで・・・」「私も知り合いを探していて・・・」と親身に教えてくれます。
私も、現地のスーパーで偶然話しかけた方に、その後何度もランチに誘ってもらい、孤独感が一気に減りました。
一度仲良くなると、その人の知り合いも紹介してくれたりと、輪が自然に広がります。
ステップ4|現地の習い事やボランティアに参加
外に出る理由を作るには「何かに参加する」のが一番です。
語学学校に通っても良いですし、「英語は不安…」という方は、日本語で教えられる習い事や現地の日本人向けボランティアもあります。
例えば、日本語での料理教室やハンドメイド教室は海外でも意外と見つかりますし、ママさん向けの育児サークルもあります。
私の場合、日本でチャレンジしてみたかったピラティス教室に参加して、現地のお友達も同時にゲットしました!笑
週1回でも誰かに会うだけで気持ちがだいぶ違います。
ステップ5|無理せず「一人時間を楽しむ」視点を持つ
違う視点になりますが、「外に出ない自分はダメ」と思わなくて大丈夫です。
引きこもりがちになるのは環境が大きいだけで、あなたの性格のせいではありません。
むしろ、無理に外に出ようとして疲れてしまうよりも、家の中でできる趣味や在宅の習い事を増やすのも立派なステップです。
最近はオンラインで完結できるスキルアップのスクールなども豊富ですし、語学学習や資格勉強を始めるのも大きな自信になります。
オンラインでも人と話す機会があって、少し心が元気になれば、自然と外に出たくなる日がやってきます。
引きこもり中でもできる暇つぶしアイディア10選
必ずしも将来につながることや、ステップアップをするようなことに挑戦する必要はありません。
少しでも気持ちが軽くなったり、いつもと違うことをやって気分転換ができたという体験が大切です。
リストにしているので、ぜひ一つずつ試してみてください。
- 日本の友達とオンラインおしゃべり
- 海外向けオンライン英会話で少しずつ勉強
- 海外での料理に挑戦してInstagramで発信
- 駐妻ブログやnoteを書く
- 近所の散歩をルーティンにする
- 日本語教師の資格をオンラインで取る
- 海外ドラマを字幕なしで観る挑戦
- 海外の図書館やカフェ巡り
- 趣味のハンドメイドや絵を始める
- 海外生活の知恵をSNSでシェアする
メンタルを保つために意識したいこと
メンタルを保つために意識したい考え方のポイントについても整理しました。
- 「みんな孤独を感じている」と知るだけで気持ちが楽になる
- 無理にポジティブになろうとしない
- 頑張れない日は「今日は頑張らない」と決めてOK
- 体調がすぐれないときは、専門医や心療内科も視野に
- 誰かに相談する習慣をつくる
頑張れない自分を責めずに、頑張れない自分も認めてあげるということも大切なことです。
海外に慣れるスピードなどは人によって個人差があります。
慣れるのが早ければいいということも、遅いのが悪いということもありません。
自分のペースでゆっくりとゆっくりと進んでいきましょう。
まとめ|一歩踏み出せば世界は少しずつ広がる
引きこもりを否定せず、できることを少しずつ増やすだけで、海外生活は必ず楽になります。
今日からできるのは「小さな外出」「誰かに話しかける」「オンラインで繋がる」この3つです。
よくある質問(FAQ)
Q1. どうしても外に出るのが怖いときは?
→ 無理に出なくてもOK!家で楽しめることを増やしてから、気が向いたときに一歩だけ外へ。
ベランダに出る、アパートの敷地に出て日の光を浴びるだけでも十分です。
Q2. 駐妻コミュニティってどこで探せる?
→ SNSやFacebookの地域グループ、駐在員向け掲示板がおすすめです。
Q3. 英語が本当に苦手だけど大丈夫?
→ 誰でも最初は同じです。日本人コミュニティを活用しつつ、オンライン英会話を少しずつ取り入れるのがおすすめです。
Q4. 駐妻は働ける?
→ 国やビザによりますが、在宅ワークやオンライン講師など働き方はあります